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俳句の庭

  • けさ長き雲のきりぎし渡り鳥 正木ゆう子

    11月 27th, 2025

    「渡り鳥」は季節によって生息地を変える鳥を総称するが、俳句の季語としては、秋に北方から日本へ渡ってくる冬鳥を指す。鴨や雁などの大型の水鳥から鶫、鶸、鶲などの小鳥まで、秋に渡ってくる鳥の種類は多い。

    掲句は、朝の静けさの中で、鳥が渡ってくる頃の空を仰いでの作品。「きりぎし」は漢字表記では「切岸」で、切り立った険しい岸、断崖、絶壁のこと。中天に長く延びる雲が、鳥たちが羽を休める切岸のように見えたという。「きりぎし」との仮名書きも、雲の柔らかさを想像させる適切な配意。『俳句』2025年12月号。

  • 夜明けの富士と天狼

    11月 27th, 2025

    明け方、冠雪の富士の上に消え残っている天狼。天狼は、おおいぬ座の恒星シリウスのこと。その輝きが狼の眼光を思わせることから古代中国で名付けられたという。天狼は、太陽を除けば地球から見える最も明るい恒星。未明まで肉眼で見ることができる。

  • 薔薇の実

    11月 27th, 2025

    薔薇(ばら)はバラ科バラ属のうち特に園芸種、栽培種を総称する。初夏に花を咲かせた後、秋から冬にかけて実が赤やオレンジ色に熟する。「薔薇の実」は歳時記に掲載されていないが、その原種の一つである野茨の実は「茨(いばら)の実」として秋の季語になっている。生食できるが、主に乾燥させてお茶として飲んだり、ジャムやジュースなどになる。

  • 敬老の日なりもやしの髭をとる 岸本尚毅

    11月 26th, 2025

    敬老の日は9月の第3月曜日で、国民の祝日の一つ。長年働いて社会や家族を支えてく れたお年寄りに感謝し、その労をねぎらう日。

    掲句は、厨房に立つ作者自身を詠んだ作品。もやしの髭(ひげ根)はそのまま食べられるが、食感や見た目を良くしたい時などは取り除く。敬老の日、作者はいつもと変わらずに厨房でもやしの髭を取っているのだ。日常の些事だが、「もやしの髭」に軽いユーモアと自嘲が滲む。「敬老の日」を正面から詠んでも佳句になり難いが、掲句はそのハードルを越えた。日々のささやかなヒトやモノとの出会いの中に俳句の素材が潜んでいることを教えてくれる一句。『俳句界』2025年12月号。

  • 枯葉

    11月 26th, 2025

    冬になって枯れてしまった草木の葉のこと。まだ枝に残っているもの、地上に落ちたものなどさまざま。カシワ、クヌギなどは、枯れた葉が落葉せず、枝についた状態で冬を越す。これらは、春の新芽が芽吹く直前に一斉に落ちてしまう。枝に付いているものは風に乾いた音をたてる。

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