マメ科の多年草でヨーロッパ原産。江戸時代に渡来し、野生化した。「しろつめくさ」は俗称。通常は三つ葉だが、稀に四つ葉のものがあると幸運をもたらすものとして珍重される。晩春に、白い鞠状の花を咲かせる。春たけなわの伸びやかな地の起伏や空間を感じさせる季語だ。

マメ科の多年草でヨーロッパ原産。江戸時代に渡来し、野生化した。「しろつめくさ」は俗称。通常は三つ葉だが、稀に四つ葉のものがあると幸運をもたらすものとして珍重される。晩春に、白い鞠状の花を咲かせる。春たけなわの伸びやかな地の起伏や空間を感じさせる季語だ。

「鯉のぼり」は、端午の節句に男の子の健やかな成長を願って庭先などに立てる飾り。最近は、民家の庭に鯉のぼりが揚がる姿を見ることは少なく、ベランダや室内に飾る小型のものが増えている。
掲句は、屋外に立てた鯉のぼりがよき風を得て、気持ちよさそうに靡いている情景。若葉や青草の匂いを含んだ五月の清々しい風の中の鯉のぼりを、「清流に棲む」と表現したところがいい。鯉の形を模した命なきものに生命を吹き込む卓抜な措辞だ。黄河の急流にある滝を多くの魚が登ろうと試みたが鯉のみが登り切り、竜になることができたとの中国の故事を思い起こしてもいいだろう。『俳句』2023年5月号より。
ケシ科の一年草。観賞用に栽培されるが、近ごろは野生化し、路傍や中央分離帯など、どこにでも見られる。ヨーロッパ原産だが、江戸時代に渡来した。蕾は最初は下向きで、咲くときに顔を上げ、5月頃、紅、桃色、白色などの四弁花を咲かせる。園芸種には八重咲もある。「虞美人草」とも呼ばれる。
下の写真は、雛罌粟と罌粟坊主が入り交じって風に揺れているところ。

歳時記に晩夏の季語として掲載されている「独活の花」はウコギ科の多年草であるのに対し、「花独活」は、セリ科の多年草で、初夏に白い小さな花を笠のような形に密集して咲かせる。葉や茎がウコギ科の独活に似ていて、独活よりも美しい花をつけることからこの名がついたという。「花独活」は一般の歳時記には掲載されていないが、初夏の山野を歩いていると、否でも目を引く花の一つだ。

菜の花が一面に咲くのは晩春の頃。その明るさの中にいると、老病死などの人の世の幾多の苦しみが、霧消するような錯覚を覚える。
掲句は、大切な人の逝去を悼み、その生誕から死までの「一生(ひとよ)」を追想しての作品。死は生の終着点であり帰結だが、逆に、「棺を蓋いて事定まる」との諺があるように、死が、その人の「一生」を改めて照らし出すということも、紛れない真実だろう。「花菜風」の明るさの中で、作者の故人に対する追想は、どこまでも明るく広がっていく。『俳句』2023年5月号より。