ユキノシタ科の常緑多年草。「雪の下」「鴨足草」とも表記。北海道を除く全国の山野に自生するが、庭園にも植えられる。半日陰で湿った場所を好む。初夏に高さ20~50センチの花茎の先に、下2枚の花びらだけが大きな白い5弁花を咲かせる。小振りの花なので見過ごしがちだが、よく見ると、楚々として味わい深い花である。

ユキノシタ科の常緑多年草。「雪の下」「鴨足草」とも表記。北海道を除く全国の山野に自生するが、庭園にも植えられる。半日陰で湿った場所を好む。初夏に高さ20~50センチの花茎の先に、下2枚の花びらだけが大きな白い5弁花を咲かせる。小振りの花なので見過ごしがちだが、よく見ると、楚々として味わい深い花である。

「明易し」は「短夜」の傍題で、夏の夜が短く、忽ち明けかかることをいう。
掲句は、近くの公園の池での早朝の嘱目。カルガモが一羽の雛鳥を従えて泳ぎ回っていた。数日前は二、三羽の雛を従えていたのが、鴉に襲われたのか、たった一羽になってしまったのだ。最後の一羽だけはどうか無事に育って欲しいと心の中で念じながら、暫くそこに佇んだ。「明易き」との季語の選択に、この世で限りある生を営む者同士の共感の思いが、投影しているのかも知れない。平成11年作。『河岸段丘』より。
桑はクワ科クワ族の落葉高木。近年目にする桑畑はかつて行われていた養蚕の名残だが、自生の桑の木を山野や川べりなどで目にすることも多い。春に穂状の花をつけた後、5、6月頃実が赤から紫黒色に熟れて食べ頃になる。実は多くの花が集まった集合果で、「桑苺」とも呼ばれる。正岡子規が「桑の実の味はあまり世人に賞翫されぬのであるが、その旨さ加減は他に較べる者もないほどよい味である。」(くだもの)と記しているように、よく熟した桑の実を摘み取ってその場で食べる味わいは、苺に勝るとも劣らない。


バラ科の落葉低木。日本各地の低地や山地に自生し、枝は蔓状に伸びる。初夏、香りのある白い五弁の花を多数咲かせる。日本の薔薇の代表的な原種だが、濃艶で華やかな薔薇とちがい、可憐で野趣がある。果実は球形で、秋に熟して赤くなる。

「泉」は、地下水が地表に湧き出たもので、湧き出る水の量感・透明感が涼味を感じさせることから、夏の季語となっている。
掲句は、石神井公園での作品。池を巡る木道の途中に泉が湧いていて、周囲に林立する落羽松(らくうしょう)が、ベンチに憩う人を包み込むように大きな木陰を作っていた。その根の一つが、地表に浮き出たまま泉まで伸びて、爬虫類の膚のようにぬめぬめと濡れ光っていた。この樹の生への意思を、そこに見たような気がした。平成14年作。『河岸段丘』所収。