元旦の日の出のこと。初日の出ともいう。人々は古くから山や海からの御来光を拝み、その年の幸福と平和を祈った。初日を拝むために、海辺や高地などへ赴く風習は今も昔も変わらない。

元旦の日の出のこと。初日の出ともいう。人々は古くから山や海からの御来光を拝み、その年の幸福と平和を祈った。初日を拝むために、海辺や高地などへ赴く風習は今も昔も変わらない。

年の初め。年の始、あらたまの年、年明く、年立つ、年頭、初年などさまざまな言い方がある。旧暦の年の始めは、二十四節気の「立春」の頃に当たったので、寿いで「初春」と呼んだ。新暦に変わって真冬に正月を迎えるようになっても、旧暦時代の名残から年の始を「初春」という。

「年来る」は新年の傍題。始まったばかりの年のこと。年の始め。一方、「行く年」は過ぎ去ろうとしている一年を指す。いずれも「年」を擬人化した表現。
掲句は、大晦日から元旦を迎えるまでの時の流れの中で、「年」の歩みに対する感触・感慨を作品化したもの。作中には「行く年」「年来る」という二つの季語が用いられているが、「年来たる」との年初の思いが句の中心にあるだろう。「年」という目に見えない巨大な存在があって、旧年から新年へと歩みを進めていく、その歩みが同じ歩幅だというのだ。淡々として、しかも冷厳な月日の歩みを思わせる。『俳句界』2024年1月号。
「冬深し」は一年で寒さの最も極まる時期のこと。積もった雪や蕭条とした枯色の山野、厚いコートに身を包む人々など冬真っ盛りの情景の中で、春が待たれる日々でもある。
掲句は筆を執っている自らの動作を思い返しての作。書道は月一回ほど義姉の家に通っていた。「起筆」は、書道用語で紙面に筆の穂が接して送筆に移るまでの動きのこと。起筆の時、一呼吸置くことが大事だと教えられた。その僅かな一呼吸の間にも、冬の深まりがひしひしと感じられるような寒中のことだった。平成31年作。
水辺の葦は、冬になると花穂がほおけ、剣状の葉は枯れて下の方から落ちてゆき、ついには茎だけとなって寒風に吹かれ、折れ伏す。一面の枯葦に淡い日が差したり、風に音を立てる様子は、冬の景色を一層寂然たるものにする。
