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俳句の庭

  • 朱欒(ざぼん)

    2月 4th, 2025

    東南アジア原産のミカン科ミカン属の柑橘類。九州南部で栽培される。果実は柑橘類最大で直径15~25センチ。果汁は少ないが甘みと風味を持つ。果肉が紫がかったものは「うちむらさき」とも呼ばれる。生食のほか、砂糖漬けにする。「晩白柚(ばんぺいゆ)」(下の写真)はザボン類の中でも果実が最大の品種。

  • 胸鰭のことに草いろ子持鮎

    2月 3rd, 2025

    鮎は秋に産卵のため河川の下流域に下る。産卵期が近づくと、体色が黒ずんでくる。この時季の鮎を「落鮎」「錆鮎」などといい、秋の季語。「子持鮎」も同時季の鮎を指す。

    掲句は店先に並んだ秋の鮎の胸鰭に目をとめてできた作品。夏の間見かけた鮎よりも、胸鰭の草色が色濃く感じられた。生息する川岸の草木の緑が沁みついた色のように思えた。同じ秋の鮎を詠む場合でも、「落鮎」といえば落魄した印象が逃れ難いが、「子持鮎」といえば未来へつながる希望の一筋の光が差してくるような気がする。令和6年作。

  • 懸り凧(かかりだこ)

    2月 3rd, 2025

    「凧」は竹ひごなどの骨組みに和紙やビニールを張った遊び道具。「懸り凧」はその傍題の一つで、木の枝や電線に引っかかった凧をいう。子供たちが去った夕暮、木の枝などに絡まったまま風に戦いでいる凧には、一抹の侘しさがある。

  • 若布(わかめ)

    2月 3rd, 2025

    日本各地の沿岸に産する褐藻類コンブ目の海藻。天然物のほか、養殖も盛んに行われる。冬に成長した和布を春先から竿の先に鎌をつけた和布刈竿(めかりざお)で刈りはじめ、刈入れは仲夏の頃まで続く。刈り取った和布は干して製品になる。成熟した茎のまわりの壁状の胞子葉が「布株(めかぶ)」。日本人に古くから親しまれてきた海藻で、「若布刈る」「若布干す」「若布和(わかめあえ)」など関連季語は多い。

  • 園深く知己の桜に会ひにゆく

    2月 2nd, 2025

    桜は古来より詩歌に歌われ、人々に愛されてきた花。もともとは、山野に自生する野生種のみであったが、江戸末期から明治にかけて栽培種である染井吉野が誕生し、現在では、単に桜といえば染井吉野をさすことが多い。

    掲句の桜は、近くの公園の染井吉野の古木。樹齢は定かでないが、その公園が米軍基地として使われていた頃から盛んに花を咲かせていたことを思えば、既に百歳近いのだろう。年々その時季になると見応えある花を咲かせてくれるが、近年は梢の蕾のつき具合などにかつての勢いがなくなり、樹勢の衰えは隠しようがない。その時も、今年も咲いているだろうかと多少危ぶみながら足を運んだ。「知己(ちき)」というのは知人、友人のことだが、私とその桜の古木の関係も、長い付き合いの「知己」のようなものだと歩きながら思った。令和6年作。

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