「霜」は氷点下の朝に草木や地面に付着する氷の結晶。冬の厳しい寒さと、朝のきりっとした空気を表す。
掲句の「霜置いて菜が甘くなる」というのは、ホウレンソウなどを栽培している義兄との雑談の中で得たモチーフである。実際、冬に食するホウレンソウやネギの甘味は、関東地方特有のものだろう。また、「星降って」との上五は、早朝の散歩の際に爛々と光を放っている星々が私の脳裏にあっての措辞。朝方、オリオンやシリウスは既に西に沈んでいるが、北斗七星は、起きぬけの目に否応なく飛び込んでくる。冬の間晴天が続き、夜の放射冷却で霜が降りる関東地方の風土が表現できていれば幸いだ。令和7年作。