「残暑」は立秋を過ぎた後の暑さ。8月中は残暑の日がつづくが、近年は10月になって残暑を感じることも多い。いったん涼しくなった後で、暑さがぶり返すこともある。
掲句は軒下などに干してある唐辛子に残暑を感じての作品。その唐辛子が「ぺかぺか」乾いているという。「ぺかぺか」は特定の地方の方言ともいわれるが、乾燥した唐辛子の形容に用いたのは作者のオリジナルだろう。そういわれてみると、残暑の日差しを受けた唐辛子の艶やかな紅が目に浮かぶようだ。『俳句界』2026年3月号。
「残暑」は立秋を過ぎた後の暑さ。8月中は残暑の日がつづくが、近年は10月になって残暑を感じることも多い。いったん涼しくなった後で、暑さがぶり返すこともある。
掲句は軒下などに干してある唐辛子に残暑を感じての作品。その唐辛子が「ぺかぺか」乾いているという。「ぺかぺか」は特定の地方の方言ともいわれるが、乾燥した唐辛子の形容に用いたのは作者のオリジナルだろう。そういわれてみると、残暑の日差しを受けた唐辛子の艶やかな紅が目に浮かぶようだ。『俳句界』2026年3月号。
金縷梅はマンサク科の落葉小高木。黄色い花が一般的だが、「赤花金縷梅」はその変種。まだ寒さの残る早春の頃、赤又は紫褐色の紐状の花を咲かせる。雑木林などに自生するほか、庭園などに植えられる。

冬の渇水期には水量が減っていた川は、春の訪れとともに雪解け水や春雨で水嵩が増し、明るい日差しを受けて水面を輝かせる。川辺では草が萌え柳が芽を吹き、川に棲む生きものたちの活動が活発になる。

「猫の子」は春に生まれた猫の仔のこと。猫の発情期(猫の恋)はおおむね2〜3月であり、子猫が生まれるのはその約60日後のおおむね晩春の頃になる。
掲句は、人が掴みあげた猫の子を、手移しに掌(たなごころ)に受ける場面を詠む。生まれて間もない猫の子は、見知らぬ人の手に触れられる緊張から震えているのだ。猫の子のいのちの温もりや震えを、作者の掌はしっかり受け止める。掌は手のひらのことで、「たなごころ」と仮名書きしたことにより、猫の子のいのちを丸ごと受け止める作者の思いが伝わってくる。『俳句』2026年3月号。
みづうみの目覚めの音の春時雨 直人
「春時雨(はるしぐれ)」は立春を過ぎてから降るにわか雨(通り雨)のこと。冬の時雨には寂しさや冷たさがあるが、春時雨には春らしい明るさや華やぎが感じられる。
掲句は「春時雨」が湖に降りそそぐ音を、その湖の目覚めの音と感受しての作品。春の到来を音により感受した句だが、冬季間結氷していた湖が、春になって氷が解け、折りからの「春時雨」にけぶっている様が、自ずから思い浮かぶ。格助詞「の」を3度用いた単純な声調に、春を迎えた弾むような喜びがある。富士五湖のような山間の湖を想像すると、一層味わい深い。平成5年作。『遍照』所収。