「漱石忌」は、明治の文豪夏目漱石の忌日(12月9日)。本名は金之助。大学時代、子規と出会って俳句を学び、その後多くの俳句を作った。虚子の勧めで、『ホトトギス』に『吾輩は猫である』を発表したことが小説家に転ずる契機になった。
掲句は、漱石の忌日に、漱石の人となりや文業に思いを馳せての作品。漱石は、小説を通して、明治維新以降の日本人の心の拠り所を求め続けた作家だったと思っている。その志は「火の色」と形容するに相応しい。『郭公』の井上主宰には、「室咲きの花の色の強烈な赤は、夏目漱石という作家の印象と響き合っている。」と鑑賞していただいた。令和7年作。