冬の間、湖沼、川、田圃などに張っていた氷が、春の暖気や日差しを受けて解けること。春の訪れを感じる現象の一つ。「氷解く(こおりとく)」ともいう。

冬の間、湖沼、川、田圃などに張っていた氷が、春の暖気や日差しを受けて解けること。春の訪れを感じる現象の一つ。「氷解く(こおりとく)」ともいう。

「師走(しわす)」は本来は陰暦十二月の異称。実際には陽暦十二月の意味で用いられることが多く、年末の忙しさを感じさせる言葉だが、「師走空(しわすぞら)」といえば、忙しない中でも空を仰ぐ心のゆとりや独り心を感じさせる。
掲句は「師走空」の色合いに焦点を絞った作品。〈うすうすと紺のぼりたる師走空 龍太〉では「師走空」の紺のグラデーションが見えてくるが、この句は、「師走空」がしんしんと「縹(はなだ)」を流していると詠んだ。「縹」は平安時代から続く色名で、藍色より薄く、浅葱色(あさぎいろ)より濃い、ややくすんだ青色のこと。年の瀬の空の含むかすかな潤いを表現したものと見たい。「しんしんと」の擬態語は、平穏な「師走空」の形容であるとともに、年の瀬の忙しなさの中での作者の独り心を映し出しているようだ。『俳壇』2026年3月。
3月3日の桃の節句に飾られる男雛と女雛の二体一対の雛人形のこと。「内裏雛(だいりびな)」とも呼ばれる。天皇(親王)と皇后(妃)の成婚の姿を象っているとされる。「雛祭(ひなまつり)」の傍題。

ラン科セッコク属の多年草。原産地はヒマラヤ周辺、インド、タイなど広い地域にわたる。多くの園芸品種があり、春に長い茎の節々に白、黄、ピンク、赤、紫などの香りのある花を咲かせる。なお、日本原産の自生種「石斛(せっこく)」は夏の季語であるが、「デンドロビウム」は歳時記に掲載されていない。

「旧正」「旧正月」は陰暦1月1日のことで、今年(2026年)は2月17日がこの日に当たる。「春節(しゅんせつ)」とも呼ばれ、中国などでは、冬の終わりと春の始まりを告げる節目に位置づけられる。日本でも、この日を真の春の訪れとして重要視する地域もある。
掲句は「旧正」の雨が草木を濡らしている情景を詠む。この時期の雨は、冬季に乾燥する太平洋側の地域では、草木の芽吹きを促す恵みの雨でもある。「一木に一草に」との措辞に、周りの草木に対する作者の懇ろな眼差しを感じる。単純な表現が句の味わいを深めている。『俳壇』2026年3月号。