「薄氷(うすらい)」は春浅い時期に、水溜まり、池、桶などに薄く張る氷、又は、冬から解け残っている薄い氷のこと。冬季の氷と違い、解けやすく消えやすいことから、淡く儚い印象がある。
掲句は、朝方の冷え込みで張った「薄氷」が、昼間の陽気や日差しを受けて消えていくまでの時間の推移を詠んだ作品。「薄氷」は跡形もなく消えて水になってしまったが、空は相変わらず目に沁みるような青さを保っているというのだ。春浅い頃の締まった空気が感じられる。晴れた日、この季節の空は瑞々しく芯まで青い。『俳句四季』2026年3月号。