声変はりする子しない子南吹く

「南吹く」は夏の湿った季節風が吹くこと。「南風」の「風」を省略した呼び名は、船乗りや漁師の間で使われていた言葉がもとになっていることによる。

掲句は、柳瀬川で川遊びをしていた中学生くらいの一群の少年たちを詠んだもの。同年齢の少年たちの中にも、依然としてボーイソプラノの甲高い声を出す子と声変わりが始まっている子がいて、彼らはそんなことにお構いなく淵に跳び込んだり、川岸で押しくらまんじゅうをしたりして、楽しんでいた。折からの南風が、そんな少年たちを祝福するかのように、辺りを吹き抜けていた。平成18年作。『春霙』所収。

,

コメントを残す