「甘藍(かんらん)」は、一般的にはキャベツと呼ばれるアブラナ科の野菜。明治以降にヨーロッパより導入され、全国で栽培されている。中心部の葉はぎっしりと重なって球状をなす。
掲句は八ヶ岳東麓の野辺山高原での作品。ここの農業は、冷涼な気候を活かした高原野菜と酪農。標高の高い寒冷地なので、キャベツやレタスの苗の植え付けが始まるのは6月頃で、収穫作業は10月初旬まで続く。その間は盆休みも無いようだ。キャベツの収穫は家族総出で、キャベツを捥いだり、段ボールを組み立てたり、箱詰めしたり、積み込んだりする作業を分担してやっていた。夏の暑い盛りなどには、トラックの幌の陰などで休息していることもあった。「きしきし」という擬音語で、キャベツの質感が表現できていたら幸いだ。平成7年作。『河岸段丘』所収。