二日月から八日月の頃までの上弦の月、またはその夜をいう(秋季)。この頃の月は出が早いので昼間は目立たず、夕方にだけ見える印象がある。夜半には早々と没してしまう。そのはかない感じは王朝貴族たちに愛され、詩歌に詠み継がれた。

二日月から八日月の頃までの上弦の月、またはその夜をいう(秋季)。この頃の月は出が早いので昼間は目立たず、夕方にだけ見える印象がある。夜半には早々と没してしまう。そのはかない感じは王朝貴族たちに愛され、詩歌に詠み継がれた。

「枯木星」は葉が落ちて見通しが良くなった枯れ木の枝越しに見える星のこと。「枯木」の傍題。冬は一年中で 星がもっとも輝く季節。
掲句は、宇宙のはるか遠くから眺めたら、我々の住んでいる地球も、枯木星の一つではないかとの句意。落葉樹の梢に現れた星々を仰ぎながらの、友人との会話が思われる。口語調をそのまま取り入れたのも、詠もうとする内容に相応しい。『俳句界』2025年12月号。

近くの公園にある黄葉(こうよう)した桑。桑は、クワ科クワ属の落葉高木。古く大陸から渡来し、養蚕のために広く栽培されてきた。かつて養蚕が盛んだった時期の名残で、野生化したものが土手や林、河川敷などでも見られる。写真の桑の木も、植えられたのではなく、実を食べる鳥が媒介して生えたものだろう。秋に黄葉する樹木の一つ。
夕方に降る時雨(しぐれ)のこと。時雨は、秋の終わりから冬の初めにかけて、短時間で降ったり止んだりする通り雨。日本海側や京都盆地などでよく見られる。降る時間帯により、朝時雨、小夜時雨(さよしぐれ)、夕時雨などと言う。

「渡り鳥」は季節によって生息地を変える鳥を総称するが、俳句の季語としては、秋に北方から日本へ渡ってくる冬鳥を指す。鴨や雁などの大型の水鳥から鶫、鶸、鶲などの小鳥まで、秋に渡ってくる鳥の種類は多い。
掲句は、朝の静けさの中で、鳥が渡ってくる頃の空を仰いでの作品。「きりぎし」は漢字表記では「切岸」で、切り立った険しい岸、断崖、絶壁のこと。中天に長く延びる雲が、鳥たちが羽を休める切岸のように見えたという。「きりぎし」との仮名書きも、雲の柔らかさを想像させる適切な配意。『俳句』2025年12月号。