淵の碧鮎落ちてよりさだまりぬ

「落鮎(おちあゆ)」は、秋に産卵のために川を下る鮎のこと。その頃の鮎は腹が赤みを帯び錆びたような色になるので「錆鮎」ともいう。産卵した鮎は、体力を消耗して多くは死ぬ。

掲句は県境を流れる柳瀬川の川べりを歩いたときの作品。川は浅瀬となり淵となりながら流れていく。既に秋も半ばを過ぎ、鮎も下流に落ちて行く頃だ。そう思いながら淵を眺めていると、夏の頃より淵の青みが増しているように思えた。淵は、少し緑色の混じった青い色合いなので、「青」ではなく「碧」の字を用いた。令和6年作。

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