「冬桜」は11月頃から翌年1月頃にかけて一重の白い花をつける。ヤマザクラとマメザクラの自然交配種とされる。寒さの中で疎らに咲く花の楚々とした佇まいは印象的だ。
掲句は、地元の小学校の校庭に植えられている「冬桜」の佇まいを詠んだもの。咲き盛るというにはほど遠く、ぽつぽつと花を咲かせている「冬桜」の、どこか床しい印象を言葉で捉えようとしてこんな句になった。「冬桜」を愛でるとき、花の一輪一輪が最も澄んで感じられる程よい距離があるようだ。平成16年作。『春霙』所収。
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