落葉しきりに胸中に坩堝欲し

落葉樹が葉を落とすのは、晩秋から冬にかけてである。「落葉」は散った木の葉のことだが、木の葉の散る様や、地面や水面に散り敷く様をも表わす。「落葉」「木の葉」はいずれも冬の季語。

掲句は「落葉」がしきりに舞う中で、自らの内面を省みてふとできた作品だが、何とも解説し難い句だ。木々が枯れ急ぐ「落葉」の季節に感じる自分自身への思いを形象化したともいえる。「坩堝(るつぼ)」は高熱を利用して物質を溶かしたりするときに使用する耐熱容器で、この句の場合はもちろん比喩。「坩堝のようなもの」との意味合いだ。日々を忙しなく過ごしていた当時の私の内面の一端が垣間見える一句。平成16年作。『春霙』所収。

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