「蝉生る(せみうまる)」は蝉が羽化すること。蝉の幼虫は、数年間地中に棲んだあと地上に出て羽化する。背中を割って殻から抜け出た蝉は、最初、透き通るような萌黄色をしている。
掲句は、夏も終わりの頃、散歩の際に羽化したばかりの蝉の青みを帯びた白い姿を見かけての作品。まだ明けきらぬ暁、東の空にほっそりと月が残っていた。月光が幹に止まっている蝉に届いていた訳ではないが、生まれたばかりの蝉が体にまとう微光と月明りに、同質なものを感じた。秋も近い頃の澄んだ月明かりだった。令和7年作。
kknmsgr
Δ