「明易し(あけやすし)」は夏の夜が早く明けること。多くの歳時記では、「短夜(みじかよ)」の傍題としている。「短夜」が夜の短さを言うのに対し、「明易し」には夜が急いで明けていくことへの感慨や、夜明けの早さを惜しむ気持ちが込められている。
掲句は南仏旅行中の一句。シャモニー近郊のセルボ村のコテージは、正面にモンブラン山系の山々を望むロケーションにあった。毎朝目を覚まして外のデッキに立つと、今日の空の機嫌はどうだろうかと、雪を被ったままの山々に目を向けた。東から昇ってくる太陽が、それらの山々を真横から輝かし始めた。夏の朝の冷え冷えとした空気が身を包んだ。令和7年作。