青林檎濡らして上がる山の雨

「青林檎(あおりんご)」は7月頃から出荷される早生種の林檎。果皮が青く果肉は酸味が強い。丸ごと齧 ったときの口中に広がる清涼感は夏のもの。熟す前のまだ青い状態の林檎を指すこともあるようだ。単に「林檎」といえば秋の季語。

掲句も南仏旅中の作品。シャモニー近郊のセルボ村の村内には、至る所で林檎やプラムが青い実をつけていた。無花果(いちじく)や榛(はしばみ)の実も見かけた。モンブラン山系の山々が雲間から顔を出す雨上がりには、それらの青い実が初々しく、色鮮やかに目に沁みた。令和7年作。

,

コメントを残す