10日ほど滞在したのはシャモニー近郊のセルボ村。シャモニー渓谷の入り口に位置する静かな村だ。シャモニーを含めこの辺り一帯をサヴォア地方というが、サヴォア建築と呼ばれる豪雪や寒冷な気候に適応した石を使った堅牢な家々が点在していた。
下の写真は、泊まっていたコテージから眺めていたモンブラン山群の朝の表情。昇ってきた太陽が山頂近くの雪を輝かしている。主峰モンブランは前山の陰に隠れて見えないが、モンブラン山群のほぼ全容が眺められるロケーションだった。

村の中心部にあるサン・ラザール教会。起源は中世で、16世紀に再建。今でも村民の生活に溶け込み、洗礼や婚礼などが行われているという。村のどの道を歩いていても、この教会の鐘楼が目に入った。私たちが訪れたとき、2頭の驢馬が前庭に放牧されていた。

教会の内部はバロック様式のもので、素朴だが、村人たちの心の拠り所になっている静謐な雰囲気があった。主祭壇の聖ラザロ像は、教会の守護聖人として村人に崇敬されているという。両脇にも小さな祭壇があり、聖母マリア像などが飾られていた。

村内の道の行く手には雪を被ったモンブラン山群が仰がれた。昔のゆったりとした時の歩みがそのまま続いているようなセルボ村に滞在した10日間は、私たちの長旅の疲れを癒してくれた。
