フウロソウ科の多年草。全国の山野や道端に自生する。古来より下痢止めや胃腸病に効能がある薬草として知られ、煎じて飲むとその効果がすぐ現れることからこの名がある。夏に五弁の小さい花が咲く。花色は富士川をはさんで、東日本は白、西日本は紅紫色が多い。ドクダミ、センブリとともに、日本の三大民間薬の一つとされる。別名「医者いらず」。

フウロソウ科の多年草。全国の山野や道端に自生する。古来より下痢止めや胃腸病に効能がある薬草として知られ、煎じて飲むとその効果がすぐ現れることからこの名がある。夏に五弁の小さい花が咲く。花色は富士川をはさんで、東日本は白、西日本は紅紫色が多い。ドクダミ、センブリとともに、日本の三大民間薬の一つとされる。別名「医者いらず」。

「年の暮」は12月も押し詰まった頃のこと。12月の中旬頃から正月の準備を始めることも多く、一年が終わりつつある実感が湧いてくる。ことにクリスマスが終わると、その感が強くなる。年末の慌ただしさや新年を迎える準備、そして過ぎ去る年への感慨が入り混じる。
掲句は唐墨色(からすみいろ)の月の暈(かさ)を仰いで、多事だった一年が暮れてゆくことを改めて思っているとの句意。 月の暈は、夜空に薄い雲がかかっているときなどに見られる。その夜は、月の暈が唐墨色に見えた。唐墨は、主にボラの卵巣を塩漬けにして乾燥させた珍味。形が中国伝来の書道用の墨に似ていることから、その名があるという。長崎県産のものが有名。一般には余り馴染みのない唐墨を目にしたことがあるのも、出張の多い職場に勤めていた名残だろう。平成22年作。
スイカズラ科ツクバネウツギ属の落葉低木。和名はハナゾノツクバネウツギ(花園衝羽根空木)。中国原産のシナツクバネウツギとアベリアユニフローラの交配種とされ、日本へは大正時代に園芸目的で導入された。初夏から晩秋にかけて、白や淡いピンクの釣鐘形の花を咲かせる。花期が長く、香りが良いことから、街路樹や生垣として広く利用される。近年の歳時記には掲載されていることが多い。

秋の寒冷前線に沿って起こる雷は激しい雨を伴うことが多く秋の気配を深める。「秋雷(しゅうらい)」ともいう。雷は夏に最も多く起こるので、単に「雷」といえば夏の季語。

「漱石忌」は明治の文豪夏目漱石の忌日。1916年(大正5年)12月9日胃潰瘍による出血で死去した。漱石と言えば小説家としての面が偉大だが、大学時代、正岡子規と出会い、俳句を作るようになったことも知られている。
掲句は、細々と咲き続ける冬薔薇のそれぞれが、他と異なる匂いをもつことに気づいたことが契機になってできた一句。漱石は明治の文明開化の世に生きて、社会の中で個々の人がいかに己を生かして自らを全うしていくべきかを考え続けた。他者との関わりの中での個人の生き方は、古くて新しい問題だ。平成22年作。