「田水沸く」は田の水が強い日光を受け、熱せられてぬるま湯のようになること。機械化が進んだとはいえ、炎天下での草取りなどの農作業は厳しい。実際に田んぼに入ると、水が非常に熱く感じられるのだろう。
掲句は、長野の野辺山高原に行く途中、小淵沢で途中下車しての作品。駅前商店街を抜けると一面の青田が広がり、強い日差しを受けて田圃の水が生温くなっていた。正面の甲斐駒ヶ岳(甲斐駒)は分厚い雲を被ったまま。田圃から立ち昇る温気が、凝って雲になったように思えた。平成19年作。『春霙』所収。
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