セミの一種。北海道南部から九州にかけて分布する。ヒグラシやエゾハルゼミと同じく森林に生息するが、街中に生息するものもある。5、6年の幼虫期間を経て、晩夏初秋の頃羽化して成虫になる。その名の通り、ミーンミンミンミンミーと繰り返し鳴く(雄のみ)。アブラゼミが最盛期を迎える8月初め頃に姿を現し、8月中が最盛期。ツクツクボウシの最盛期である9月上旬には数を減らしていく。東日本では平地に多い。西日本では低山などで見られることから、「深山蝉」ともいう。

「赤のまま」は「赤のまんま」ともいい、山野や路傍に自生するタデ科の一年草。初秋の頃、小粒の穂状の紫紅色の花を咲かせる。この花をしごき取り、赤飯にみたてて、ままごとに使って遊んだことからこの名がある。
森澄雄と飯田龍太はいつも対比して論じられてきた。
白をもて一つ年取る浮鴎 澄雄 大寒の一戸もかくれなき故郷 龍太
この2句を比べるまでもなく、漂泊の思いを詩情の根底に置く澄雄と故郷への定住・土着を肯定し、そこで生涯を送った龍太のそれぞれの句風は、対極にある作品世界として意識されてきた。「赤のまま」を取り合わせることにより、生前お互いに認め合ったこの二人の作品世界がより懐かしく感じられれば幸いだ。平成28年作。
夏に見かける燕のこと。燕は、春、南方から渡ってきて営巣期・繁殖期に入 る。4月下旬から7月にかけて2回産卵する。営巣中・子育て中の燕 は、子燕に餌を与えるため、空を忙しく飛び回る。その年に成鳥になった燕がおぼつかなく飛ぶ様子も印象的だ。単に「燕」といえば春の季語。

「昼寝」「午睡(ごすい)」は夏の昼間に短時間眠ること。酷暑の折は夜も熟睡できず睡眠不足になりがちだ。寝不足や食欲不振などによる体力の消耗を回復するために昼寝をする。
掲句は、人間を遠くに捨てて「午睡」をしたと詠む。ほんの一時の眠りから覚めたとき、眠っている間は人間であることから解放されていたとの感覚があったのだ。目が覚めてしまえば元の己から逃れる術はないのだけれど・・・。何物からも束縛されない眠りというものの本質が鋭く捉えられている。『俳壇』2025年9月号。