蒲公英(たんぽぽ)は花の後綿状の種子になり、風に乗って四方に散らばる。「蒲公英の絮(わた)」(春季)は蒲公英の傍題。
掲句は「旅程」を離れてゆく蒲公英の綿毛を詠む。「旅程」は作者の辿りつつある旅の道のりとでも解しておきたい。目をとめた蒲公英の綿毛が、作者の旅路から逸れて彼方へと飛び去ってゆくのだ。作者の前方に旅路が延びているように、蒲公英の綿毛も果てしない旅の途中にある。それを見送る作者の胸中の淡い旅愁も感じ取れる作品。『俳句四季』2025年6月号。
蒲公英(たんぽぽ)は花の後綿状の種子になり、風に乗って四方に散らばる。「蒲公英の絮(わた)」(春季)は蒲公英の傍題。
掲句は「旅程」を離れてゆく蒲公英の綿毛を詠む。「旅程」は作者の辿りつつある旅の道のりとでも解しておきたい。目をとめた蒲公英の綿毛が、作者の旅路から逸れて彼方へと飛び去ってゆくのだ。作者の前方に旅路が延びているように、蒲公英の綿毛も果てしない旅の途中にある。それを見送る作者の胸中の淡い旅愁も感じ取れる作品。『俳句四季』2025年6月号。
日本固有種のシソ科の多年草。山地の谷間や沢沿いなどに自生。初秋の頃、淡い紅紫もしくは白色の唇形の小花を咲かせる。花のほか茎や葉にも香りがあり、乾燥させたものは、薬用・香辛料として用いられる。
下の写真は、ヨーロッパ原産のシソ科の多年草ブロードリーフタイム。なお、タイムはイブキジャコウソウ属の植物の総称。

オーストラリア原産のクサトベラ科の多年草(日本では一年草扱い)。別名ブルーファンフラワー。夏から秋にかけて扇状に広げたように青、白、ピンク、紫などの花を咲かせる。なお、歳時記には掲載されていない。

「雪加(せっか)」はセッカ科の鳥類で、本州以南の低地から山地の草原で繁殖し、冬期は西日本の暖かい地域に移動する。葉にいる昆虫等を捕食する。
掲句は、湿原の白骨樹(はっこつじゅ)に来て啼く「雪加」を詠んだ作品。夏の繁殖期、己の縄張りを他の仲間に知らせるために啼いているのだ。朽木の先に来てヒッヒッヒッと弾力のある声で高らかに啼く雄の「雪加」の姿が目に浮かんでくる。白骨樹といえば、風雪に晒された朽木の白々とした残骸が思われて印象深い。『俳句』2025年8月号。
南アフリカ原産のイソマツ科ルリマツリ属(プルンバゴ属)の蔓性常緑低木。別名プルンバゴ。瑠璃色で花の姿がジャスミンの仲間マツリカに似ているところからこの名がある。初夏から晩秋まで長期間にわたって次々と花をつける。日本への渡来時期は不詳。なお、歳時記には掲載されていない。
