鹿は冬になると白斑を失い全身灰褐色と化す。葉の落ちた広葉樹林などでは、その冬毛は景に溶け込んで目立たない。この時季の鹿は日だまりに群れて日向ぼこをするなど動きが少なく、秋の交尾期の鹿とは違った趣がある。単に「鹿」といえば秋の季語。

鹿は冬になると白斑を失い全身灰褐色と化す。葉の落ちた広葉樹林などでは、その冬毛は景に溶け込んで目立たない。この時季の鹿は日だまりに群れて日向ぼこをするなど動きが少なく、秋の交尾期の鹿とは違った趣がある。単に「鹿」といえば秋の季語。

5月10日から16日までの一週間。アメリカのバードデーに倣って1947年より始められた。「愛鳥日(あいちょうび)」「鳥の日」などともいう。戦中戦後の伐採により荒れた山林を保護し山野の緑化運動を推進するとともに、鳥類の保護運動も始められた。この時期多くの野鳥は繁殖期を迎え、また、多くの鳥が夏鳥として南方から渡ってくる。

「四月馬鹿」は西洋発の風習で、4月1日に限り軽い嘘をついても許されるとされる。その起源はさだかではない。
掲句は「四月馬鹿」の日、言霊(ことだま)と一日遊んだとの句意。言霊は言葉にこもる精霊、または霊力のこと。俳句や短歌を含め、詩を紡ぎ出そうとする人にとって、言葉に言霊をいかにして宿らせるかが唯一最大のポイントといっていい。言霊が宿らない言葉や作品は、失敗作として捨て去られ、忘れ去られる。上五中七を全て仮名書きしたところには、実利からほど遠い詩の世界、言葉の世界に深入りした作者の含羞も感じ取れる。『俳句』2025年6月号。
葵(あおい)は立葵、銭葵、蜀葵、つる葵、錦葵、白葵などの総称。一般的に葵といえば中国原産の立葵を指すことが多いが、銭葵はヨーロッパ原産の多年草。日本には江戸時代に鑑賞目的で渡来したが、現在では野原や川原などで野生化している。高さ50~150センチほどで、初夏から梅雨の頃にかけて、紫の筋のある淡紫色の花を咲かせる。立葵などと同様、花は下から順に咲きのぼる。歳時記には、葵の傍題として出ている。

イヌサフラン科の多年草。各地の林や山林、丘陵などに自生する。高さは20センチ前後で、晩春、茎の先に一つか二つの花を下向きにつける。旧ユリ科の可憐で小形の花であることから、この名がついた。
