「雪囲とる」は、ひと冬、風雪から家や庭木を守った囲いを取ること。「雪囲解く」「雪垣解く」などともいう。家の中に光 が戻り、清々しい気分になる。春の訪れを感じさせる作業。
掲句の「漆村(うるしむら)」は、漆(うるし)を栽培するなどして漆掻きを生業とする人々が多く住む村という程の意味だろう。「こんにゃく村」「蚕飼村」などと同種の言い方。漆掻きは漆の樹皮に傷をつけ、漆の液を採集することで、6月から7月にかけての作業。冬の間は雪が積もっていた「漆村」の一戸一戸にも、静かな春が訪れているのだ。しばらくすると畑や山野で漆が芽を広げ、漆掻きの繁忙期が到来する。『俳句』2025年5月号。


