山楂子(さんざし)は中国原産のバラ科の落葉樹。4、5月頃、枝先に径2センチ程の白色五弁の花が群がり咲く。花びらに黒い斑がある。江戸時代中期に薬用として中国から渡来したが、主として庭木や盆栽として栽培される。実は秋に赤く熟し、食用になる。原産地の中国では、菓子類に利用されている。写真は、同属の西アジア原産のトキワサンザシ(別名ピラカンサ)の花。

山楂子(さんざし)は中国原産のバラ科の落葉樹。4、5月頃、枝先に径2センチ程の白色五弁の花が群がり咲く。花びらに黒い斑がある。江戸時代中期に薬用として中国から渡来したが、主として庭木や盆栽として栽培される。実は秋に赤く熟し、食用になる。原産地の中国では、菓子類に利用されている。写真は、同属の西アジア原産のトキワサンザシ(別名ピラカンサ)の花。

「花疲れ」は花見に出掛けたあとの疲れのこと。人出の多い中を
歩き回った疲れに加えて、花の美しさに酔いしれたあとの疲れが柔らかく五体を包む。その物憂さや気怠さには、花どきの浮き立つような気分も混じる。
掲句は出掛けた先で入った寿司店での作。桜の頃に限ったことではないが、寿司ねたになる魚やエビ、貝類は、どれもこれも美しい。中でも「光りもの」といわれるコハダやサバ、アジなどを板前が握っている間、それをカウンター席に座って眺めるのは愉しいひと時だ。その日は、一日の行楽にさすがに疲れて、板前の手元をぼんやり眺めていた。花どきの心地よい疲れが、私の心と身体を包んでいた。平成5年作。『河岸段丘』所収。
5月5日。昭和23年に新しく制定された国民の祝日の一つ。端午の節句の日に当たる。子供の人格を尊重し、その幸福を図る日とされる。ゴールデンウィークも終わりに近づき、各地は家族連れで賑わう。

藺(い)はイグサ科の多年草。山野、湿地に自生するほか、水田などで栽培される。5、6月頃、茎の先端に花穂をつけ、緑褐色の小花を密に咲かせる。茎は筵や畳表の材料になる。別名「燈心草」。

「山開き」は夏山のシーズンの初めに、その年の登山の安全を祈願して各山で行われる儀式のこと。昔の登山は信仰行事だったので、霊峰には夏季の一定期間以外は登ることを禁じられていた。その禁を解くのが「山開き」。それは古来から卯月八日であることが多かった。一方、現在では、上高地のウェストン祭をはじめ、いずれの山開きも観光・登山シーズンの始まりを告げるイベントとなっている。
「山開き」が季語として句に詠まれるようになったのは江戸時代中期以降とされるが、手元の歳時記に掲載されている例句はいずれも戦後のもの。「山開き」は山岳信仰からスポーツとしての登山シーズンの始まりを告げるイベントに変化したが、例句は山岳信仰の味わいを残しているものが多い。
神官の背を雲這へり山開き 岡田日郎
「山開き」は「祭」「花火」などとともに古くて新しい季語だが、現代的な光景を写し取るだけでなく、山岳に対する敬虔な思いが底流にないと、佳句とはなり難いように思う。