「桜桃(おうとう)」はバラ科サクラ属の落葉高木。明治初期に中国やヨーロッパから日本に伝わり各地に植えられた。春、五弁の白い花を桜のように咲かせる。果実はさくらんぼ(夏季)。一般的に桜桃として栽培されているものの多くは西アジア原産の西洋実桜で、日本へ導入された後主に山形県で海外品種をもとに育種が行われ、日本の代表品種である「佐藤錦」や「紅秀峰」等の品種が作出された。

「桜桃(おうとう)」はバラ科サクラ属の落葉高木。明治初期に中国やヨーロッパから日本に伝わり各地に植えられた。春、五弁の白い花を桜のように咲かせる。果実はさくらんぼ(夏季)。一般的に桜桃として栽培されているものの多くは西アジア原産の西洋実桜で、日本へ導入された後主に山形県で海外品種をもとに育種が行われ、日本の代表品種である「佐藤錦」や「紅秀峰」等の品種が作出された。

中央アジア原産のイネ科の一年生又は二年生作物。燕麦(オート麦)と、その原種で野生種である茶挽草を総称していう。畑の雑草から作物化したとされ、世界各地の温帯で栽培されている。日本では主に北海道で栽培され、夏が収穫期。オートミールとして食用とするが、現在は主に飼料(牧草)として用いられる。下の写真のように、ごく普通に雑草化している。

ヨーロッパでは4月1日をオール・フールズ・デイといい、この日に限り罪のない嘘で人をかついだりすることが許される風習がある。この日に騙された人をエープリルフールという。歳時記に載っている「四月馬鹿」はその日本語訳。「四月馬鹿」といえば広くその日のこととして俳句に詠まれる。大正年間に我が国に伝わってきた。11月1日の万聖節に対して「万愚節(ばんぐせつ)」ともいう。
手元の歳時記には、
万愚節半日あまし三鬼逝く 波郷
など、多くの例句が掲載されている。この句は昭和37年4月1日に逝去した西東三鬼を追悼した作品。当時定着したばかりの「万愚節」という季語を用いた即吟だろう。三鬼という人の人柄や句風も感じられ、追悼句としては上乗の出来。石田波郷という人の作句に対する瞬発力が如実に表れている一句と思う。
上記の句の他にはめぼしい句は見当たらない。どの句も、「四月馬鹿」「万愚節」に日常の些事を取り合わせているのだが、意味ありげな表情を持つこの季語との間合いの取り方に苦労しているように見える。いずれも、意味が分かりすぎて底の浅い句か、淡々と詠んでいて面白みも味わいも薄い句である。
西洋の風習が日本に入ってきて日本人の生活に溶け込んだものの中には、「クリスマス」「ハロウィーン」「バレンタインデー」など他にもあるが、今後俳句に詠み込むにはひと工夫もふた工夫も必要だということだろう。
島を覆ふ蝮起しの怒濤音 須並一衛
この句の「蝮起(まむしおこ)し」について、飯田龍太は、「おそらく方言のひとつだろうが、・・・冬眠の蝮を目覚めさせる春雷一過」に独特の味わいがあると観賞した(昭和62年6月)。
だが、掲句を改めて眺めると、「蝮起し」を春雷として受け止めるにはやや無理があるようだ。作者は実のところ、「蛇穴を出づ」(春季)と同様の意味でこの語を用いたのではないだろうか。春先の怒濤音に、土中で冬眠していた蝮も他の生き物たちとともに起き出して地上に姿を見せるというのだ。
以上は龍太には珍しい誤読の例だが、北陸や佐渡などで初冬の雷を「鰤起し」ということから、そのアナロジーで「蝮起し」を雷鳴と受け取ったのだと思う。なお、「鰤起し」は11月の終わり頃、鰤が回遊してくる頃の雷のことで、漁師言葉から出た味わいのある冬の季語である。
方言辞典などを繙いても「蝮起し」の語は地方の方言にはないようだ。恐らくは作者の造語だろう。しかし、「蛇穴を出づ」の傍題として今後この言葉を用いる余地はあろう。「・・起し」との簡潔な措辞は俳句表現に向いているともいえる。
端午の節句に飾る幟の竿の天辺に取り付ける金属製の風車のこと。車輪の中に何枚もの矢羽が取り付けてあり、風を受けると、からからと音を立てて回る。「幟(のぼり)」の傍題としている歳時記もある。
