降りじまいの雪。その年の春に降る最後の雪をいう。「名残の雪」、「雪の別れ」、「忘れ雪」、「雪の終」などともいう。関東近辺では3月半ばから末頃になるが、時には桜の咲く頃降ることもある。陰暦2月15日の涅槃会の頃なので、「涅槃雪(ねはんゆき)」ともいう。

降りじまいの雪。その年の春に降る最後の雪をいう。「名残の雪」、「雪の別れ」、「忘れ雪」、「雪の終」などともいう。関東近辺では3月半ばから末頃になるが、時には桜の咲く頃降ることもある。陰暦2月15日の涅槃会の頃なので、「涅槃雪(ねはんゆき)」ともいう。

「椿」は常緑の肉厚の葉の中に真紅の花を咲かせる。花びらが散るのではなく、花ひとつが丸ごと落ちるので落椿といわれる。
掲句は眼前の咲き盛る椿を詠んだもの。百とも千ともつかない紅椿が辺りの静寂を破らぬまま咲き盛っていた。時間が来れば、自ずからぽたりぽたりと地に落ちていく椿。その椿の咲いている時間が、器に満ちる水のように、「満ちてくるもの」と感じられた。椿の命の充実感が一刻一刻を満たしていた。平成19年作。『春霙』所収。
南ヨーロッパ原産のアブラナ科の一年草。漢字表記では「紫羅欄花」。江戸時代初期に日本にもたらされた。野生化したものが山野に自生するほか、観賞用に植えられ、切花にもなる。4月頃、茎の先端に芳香のある総状花序をつける。花色は紅、ピンク、紫、白など。一般的には「ストック」の名で知られている。


彼岸は、亡き先祖に感謝してその霊をなぐさめ、自分も身をつつしみ極楽往生を願う日本特有の仏教行事。太陽信仰と深いかかわりがある。春の彼岸は春分の日を中日として、その前後三日間ずつ、計七日間。彼岸の初日を「入り彼岸」「彼岸入り」、真ん中の日を「中日(ちゅうにち)」、最終日を「彼岸明け」「終い彼岸」という。単に彼岸といえば、春の彼岸をさし、秋は「秋彼岸」「後の彼岸」という。

「連凧(れんだこ)」は複数の凧を糸でつなげて揚げるもので、俳句では「凧」の傍題。凧は細い竹を骨として紙をはり、糸をつけて風力によって空高く揚げる子供の玩具だが、「連凧」といえば、子供の遊びというより、地域の行事や部落間の競技として行われる大掛かりなものを思い浮かべる。
掲句は楢の枝に「連凧」が千切れて引っ掛かり、風に吹かれている情景を詠んだ作品。凧が揚がっている間の賑わいや華やぎよりも、人々が去り、千切れて枝に掛かっている「連凧」に焦点を当てたところに、作者の目の確かさがある。写実に徹した句柄だが、一読、空に「連凧」が揚がったときの贅沢なひと時がよみがえる。『俳壇』2025年4月号。