アカエイ科の平たい軟骨魚類で、海底の泥に伏せて生息する。全長1~2メートル。尾が長く鞭状。背中から尾にかけて毒をもつ大きな棘が並ぶ。ヒレの部分を中心に煮付け、塩焼き、煮凝りなどにする。東北や北海道などでは「かすべ」と呼ばれる。俳句では「赤鱏」(夏季)の傍題。

アカエイ科の平たい軟骨魚類で、海底の泥に伏せて生息する。全長1~2メートル。尾が長く鞭状。背中から尾にかけて毒をもつ大きな棘が並ぶ。ヒレの部分を中心に煮付け、塩焼き、煮凝りなどにする。東北や北海道などでは「かすべ」と呼ばれる。俳句では「赤鱏」(夏季)の傍題。

キク科の一年草または越年草。地中海沿岸原産。葉は菊に似て、葉縁に鋸歯(きよし)がある。晩春の頃茎頂に黄又は白色の花を咲かせる。日本には、室町時代頃に中国経由で渡来したとされるが、野菜としての栽培が一般化したのは江戸時代から。冬から春にかけて収穫した若葉を和え物、浸し物、鍋物の材料などにする。ヨーロッパでは、食用よりも観賞用の植物として栽培されている。

「木五倍子(きぶし)」はキブシ科の落葉低木。全国の山野に自生し、3、4月頃、葉に先がけて穂状の花房を垂らす。雌雄異株。秋に生る実は薬や染料になる。

「七草」は1月7日の人日の節句のこと。また、この日、邪気を祓うために粥や雑炊に炊き込んで食べる春の七草のこと。芹、薺(なずな)、御形(ごぎょう)、繁縷(はこべら)、仏の座、菘(すずな)、蘿蔔(すずしろ)をいう。
掲句は七草を水に浸したところを詠んだ作品。ひと塊だった七草が水の中でほぐれて、それぞれの色合いに浮かび上がるさまが、鮮やかに目に見えてくる。厨に立つ作者の一瞬の驚きには、穏やかな新年を迎えた晴れ晴れとした思いも交っているのだろう。採れたての野菜のような鮮度のよさが感じられる一句。『俳句四季』2025年4月号。
「春の星」は春の夜空に潤むように見える星のこと。大気が潤っているため、冬よりも見える星の数は減ってくるが、寒気に耐える必要もなく、ゆったりと星空観察を楽しめる。
掲句は「春の星」を仰いでの想像の一句。光年を隔てた宇宙の彼方にやわらかな光を放つ春の星まで、巻貝の螺旋階段が続いているというのだ。無限に続く巻貝の渦の螺旋を辿って、春の星まで行き着くとの想像はメルヘンチックで楽しい。春の夜の瑞々しい情感の中で、想像力が存分に翼を広げている感がある。巷の俳句総合誌に溢れている荒唐無稽な空想句とは一線を画する。『俳句四季』2025年4月号。