「春立つ」は「立春」のこと。節分の翌日。寒さは依然として厳しいが、梅の蕾は膨らみ、日の光は力を増してくる。
掲句は皿にのせられたオムレツの真ん中に春の到来を感じ取っての作品。ふっくらと焼き上がったばかりの玉子の黄色い薄皮からほのぼのと立ち昇る湯気と香り。見るからに食欲をそそられる光景だ。食べる前の至福の一瞬を、「春立つ」の季語を用いて一句に定着させた。俳句の骨法である単純化の効果を改めて認識させられる。『俳句界』2025年4月号。
「春立つ」は「立春」のこと。節分の翌日。寒さは依然として厳しいが、梅の蕾は膨らみ、日の光は力を増してくる。
掲句は皿にのせられたオムレツの真ん中に春の到来を感じ取っての作品。ふっくらと焼き上がったばかりの玉子の黄色い薄皮からほのぼのと立ち昇る湯気と香り。見るからに食欲をそそられる光景だ。食べる前の至福の一瞬を、「春立つ」の季語を用いて一句に定着させた。俳句の骨法である単純化の効果を改めて認識させられる。『俳句界』2025年4月号。
「霾(つちふる)」ともいう。モンゴルや中国の砂漠の砂塵が嵐によって舞い上がり、偏西風に乗って日本にやってくる現象。大陸の雪が解ける春に多く見られ、日本各地で観測される。黄砂に覆われると空は黄色くなり、太陽も赤みを帯びる。近年は、モンゴルよりもさらに西方の中東の砂や微粒子が日本に到達しているという。大陸の砂漠化にともない、黄砂現象は年々激しさを増している。

ユリ科の多年草。別名「麦慈姑(むぎくわい)」。東北以南の山野、山麓、樹林、土手などに自生する。春、茎頭に釣鐘形の花を一個ずつつける。六枚の白い花びらの外側には赤紫色の筋がある。葉や鱗茎には甘みがあり食用にもされた。

「白魚(しらうお)」は、シラウオ科の魚の総称で、北海道から九州の沿岸域、河口付近、汽水域に棲息する。春、川を遡上して産卵し、産卵後は死んでしまう。春が深まるにつれ、店先に並ぶ「白魚」がだんだん大きくなるが、それでも10センチにも満たない。
「白魚」は蒸したり煮たりすると真っ白になるが、掲句は、鮮魚売り場で半透明のまま売られていた生の「白魚」の目に命の不思議を感じての一句。地球上に生きている生き物には、ほぼ共通に目が二つずつある。その可憐さは、寿命が一年しかない「白魚」に最もよく表れているように思えた。平成31年作。
イネ科の一、二年草。全国の野原、空き地、路傍、田畑付近などに自生する。雀は小さいことの譬えで、帷子は単衣の着物の意。晩春の頃、淡緑色の卵形の穂を円錐状につける。近縁種も多い。
