遺志といふ寒紅梅のごときもの

寒梅は寒中に咲く梅全般をいう。寒紅梅は12月頃から咲き始める紅色または淡紅色の梅で、多くは八重咲き。

掲句は眼前の寒紅梅の濃い紅から、「遺志」ということに思いを馳せた作品。その時心の中にあったのは前年に亡くなった飯田龍太のことだが、この句は特定の誰かに限定する必要のない句だと思っている。この世に生きる誰もが、志の一部を果たせないまま亡くなっていく。その思いは言葉にならなくても、伝わる人には無言のままでも伝わるのだと思う。平成20年作。『春霙』所収。

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