座敷などに立て仕切り、隔てや目隠しにする移動可能な障屏具。折り畳みのできる「屏風」とともに、昔は家屋の隙間風を防いだり仕切りとして使用されていたが、現代では、美術品として鑑賞されたり祝い事など様々な場の装飾品となった。歳時記には「屏風」の傍題として出ている。

座敷などに立て仕切り、隔てや目隠しにする移動可能な障屏具。折り畳みのできる「屏風」とともに、昔は家屋の隙間風を防いだり仕切りとして使用されていたが、現代では、美術品として鑑賞されたり祝い事など様々な場の装飾品となった。歳時記には「屏風」の傍題として出ている。

魚籠も魚も山独活の香にまみれ 龍太
「雲母」昭和61年5月号。句集未収録。
「山独活」は全国の山野に自生する日本の代表的な山菜であり、春、伸び始めの若い茎を食用とする。栽培もされているが、天然物の香気と歯ざわりは、春の屋外レジャーの醍醐味の一つ。
掲句は自然の中に溶け込んで自然と一体になる作者の釣りの在りようがよく表現されている作品。釣りのついでに摘んだ山独活の香りが辺りを領しているのだ。釣り果など気にせずに、時の経つのも忘れて釣り糸を垂れている作者の姿が見える。
句集『遅速』には収められていないが、作者その人が彷彿するところが捨て難い。
主に防寒のために毛糸で編んだ上着。頭からかぶるプルオーバー型と前開きのカーディガン型があるが、一般にはかぶる形のプルオーバー型のものを指す。襟付きのものやタートルネックなどデザインは様々で、色や素材も多様なものが出ている。伸縮性があって着やすく、冬には欠かせない日常的な防寒着の一つ。

元日の「大正月」に対して1月15日を「小正月」という。満月の日を年の始とした太古の名残で、旧暦時代ではこの日は満月の日に当たった。その年の邪気を祓い長寿を願って小豆粥を食べる。古くは祝い餅を搗いたり団子を作って祝った。注連飾などを外して焚上げる左義長(どんど焼き)も各地で行われる。また、元日を「男正月」というのに対して、この日を「女正月(めしょうがつ)」ともいう。正月忙しかった女たちがようやく正月気分にひたれるという。餅花、繭玉は小正月の飾り。

「梨」は秋の代表的な果物の一つ。赤梨の長十郎、青梨の二十世紀など品種も多く、一般的に水分に富み甘みが強い。
掲句は「梨」を食べながら、火星にも水が存在する痕跡があったことを思い起こしている。火星の岩だらけの表面の奥深くに水が蓄えられていることをアメリカの研究チームが発見したとの報道に触発されての作品だろう。時事的な話題を即座に句に取り入れた俊敏な才気を示す作品。「梨」という日常の果物から、天空の惑星への想念の飛躍が快い。汁気の多い「梨」であれば、その飛躍も自然に受け入れられる。『俳壇』2025年2月号。