龍太の句を拾う(24)

早梅の空剛の嶺柔の山 龍太

「雲母」昭和61年2月号。句集未収録。

「早梅」は春を待たずに咲き出した梅のこと。春に先んじて咲く梅には、春を待つ心をそそられる。

掲句は、山住の人の春の到来を待ち望む心が表れている作品。身辺に咲いた二、三輪の「早梅」。背景はきっぱりとした青空が広がるが、山国であれば「剛の嶺柔の山」が空を狭め立つ。この措辞により、盆地を囲繞する甲斐の様々な山容が眼前する。

句集には収められていない。「剛の嶺柔の山」の措辞の滑らかさ、調子のよさが、却って句を底の浅いものにしていると考えたのではないかと思う。

,

コメントを残す