冬に見かける鷺のことで、主として留鳥のコサギ、アオサギ、ダイサギなど。冬季においても、水田や河川等の水辺で主に魚類等を捕食して、水辺付近の環境に生息している。一方、サギ科のチュウサギ、アマサギなどは夏鳥として本州以南に渡来し、冬季は越冬のため沖縄以南の地域に南下する。これら渡りをする鷺のうち怪我をするなどして冬も南方に帰れなかった鷺を「残り鷺」という。
下の写真は群れで生活するコサギ。

冬に見かける鷺のことで、主として留鳥のコサギ、アオサギ、ダイサギなど。冬季においても、水田や河川等の水辺で主に魚類等を捕食して、水辺付近の環境に生息している。一方、サギ科のチュウサギ、アマサギなどは夏鳥として本州以南に渡来し、冬季は越冬のため沖縄以南の地域に南下する。これら渡りをする鷺のうち怪我をするなどして冬も南方に帰れなかった鷺を「残り鷺」という。
下の写真は群れで生活するコサギ。

「雪」は春の花、秋の月と並んで冬の美を代表する。たまに降る少量の雪は風情があっていいものだが、雪国と呼ばれる日本海沿岸の豪雪地帯では、雪は白魔と恐れられる気象現象。
掲句は「雪」の語を重ねて、いつまでも降り続ける雪を字面(じづら)の上で視覚的に表現した作品。降り続ける雪の重みに耐えかねて夜闇が軋むのではないかというのだ。雪が降り続ける不安は、夜の明け白むまで作者の心を圧迫し続ける。『俳句界』2025年1月号。
サバ科の回遊魚。体長は1メートルほどで、体色は銀灰色。出世魚で、関東では50センチくらいまでの大きさを「サゴシ」「サコチ」、50センチを超えると「サワラ」と呼ぶ。一方、関西では50センチ前後は「サゴチ」「ヤナギ」、70センチを超えたものを「サワラ」と呼ぶ。年間を通して日本沿岸で漁獲があるが、晩春・初夏の頃産卵のために瀬戸内海に回遊してくるため、春の季語に分類されている。ただし関東では、脂がのった産卵前の寒鰆が賞味される。
上記のように、鰆は晩春・初夏に産卵のため瀬戸内海に集まり、漁獲量が増えるため、関西では春が旬と認識されてきた。関西では、刺身や西京焼きが好まれ、冠婚葬祭や懐石料理に用いられるなど、身近な魚として浸透している。そのため、歳時記でも春の季語とされている。現在までの歳時記が、関西人の認識や生活感覚を核にして編纂されていることを改めて認識させられる一例だろう。脂ののった冬の鰆については、歳時記には掲載されていないが、「寒鰆(かんさわら)」として詠むのも一法だと思う。

冬の渇水期の川のこと。特に太平洋側の地域では、冬になると川の水量が減ってゆき、いつしか流れも細くなる。両岸の枯草、川床に透く石、広々と現れた川原や中洲などが想像される。寒々とした荒涼たる趣がある。

「寒に入る」は小寒から節分までの約30日間の寒に入ること。小寒は1月5日頃で、この頃一年で最も寒さの厳しい時期に入る。言葉に身の引き締まるような響きがある。
掲句は、寒を迎えるに当たって、「鋼のやうな一句」が欲しいと念じての作品。俳句を作り慣れてくると、通り一遍の作品はいくらでもできるが、言霊の宿るような、天から授かったような底光りのする作品を作るのは至難の業であることは、誰もが身にしみて感じているだろう。詩を志す作者の願いは「鋼のやうな」の措辞に集約されている。『俳句』2025年1月号。