鯛の形をした鉄板の型に小麦粉の生地を流し込み、小豆餡を包んで焼いたもの。一年中販売されているが、寒い中で食べる焼きたての鯛焼は格別だ。最近は中の餡にもバラエティがある。

鯛の形をした鉄板の型に小麦粉の生地を流し込み、小豆餡を包んで焼いたもの。一年中販売されているが、寒い中で食べる焼きたての鯛焼は格別だ。最近は中の餡にもバラエティがある。

古茶の木咲いてこの世を見てゐたり 龍太
「雲母」昭和61年12月号に発表され、飯田龍太最後の句集『遅速』からは漏れた作品。茶の花のもつひっそりと咲いて散っていく密やかなイメージとともに、この花の親しみやすさ、懐かしさがよく表れている。作者の生活の傍らに昔から咲いて、それとなく「この世」を見ている茶の花。作者自身も、茶の花にそれとなく見られていることを意識しているのだ。
句集に収められている「茶の花」の句は
茶の花をときに伏眼の香と思ふ 龍太(『遅速』所収)
など全部で4句あるが、掲句は「茶の花」の本情を深いところで摑んでいて捨てがたい味わいがある。この句を句集に収めなかったのは、擬人法を安易に用いたくないとの思いからだろうか。
野山に群生している多くの木々(雑木)が紅葉するさま。名のある木々も名の知られていない木々も一体となって野山を彩る。楓、楢、櫟、欅、山桜などの紅葉が色取り取りに晩秋の野山を染める。

陰暦10月の異称。小六月ともいう。立冬を過ぎても、すぐに厳しい寒さが訪れる訳ではなく、しばらくは穏やかな日和が続く。本格的な冬を迎える前に、ほっと一息つくような感じがある。庭木に霜除を施したり、大根や柿を干したりして本格的な冬に備える。

「白露(はくろ)」は二十四節気の一つで、太陽暦では9月8日頃。この頃になると秋の気配が濃くなり、露けくなってくる。
掲句は夜が明けたばかりの空を仰いで、翔けている鳥の影に目を凝らしての作。夏の暑さからようやく解放されようとする頃の朝の空は清々しい。思わず深呼吸したくなるような空を高々と飛ぶのは、塒の木を発った鷺だろうか、鴉だろうか。「もの」と対象を明示しないことで、余情のふくらみが得られていれば幸いだ。令和6年作。