龍太の句を拾う(11)

返り花いま夜の国と昼の国 龍太

「雲母」昭和63年1月号。

「返り花」は小春日和に誘われて、春に咲く草木が季節外れの花をつけること。サクラ、ツツジ、ヤマブキ、タンポポなどに見られる。作者は庭先の日だまりの返り花に目を留めながら、地球上に今「夜の国」と「昼の国」があることを思っている。地球の自転のため、多くの国では夜と昼が交互に訪れる。ただそれだけの内容だが、海外に足を運んだことのない龍太にも、国外への旅に憧れる思いがあったのだ。眼前のささやかな返り花と遠い異国へと広がる想念の間の落差が快い。

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