鶏頭はヒユ科の一年草。夏から秋にかけて直立した茎の上部に鶏冠状の肉厚の花をつける。妖艶な存在感がある。
掲句は鶏頭の人臭さを詠んだ作品。鶏頭は秋が深まるにつれて膨張し、妖しさが増してくる。その妖しさには、どこか人の面影がある。畑の隅に日々立ち続ける鶏頭も、人と同じようにものを思っているのかも知れない。平成17年作。『春霙』所収。
鶏頭はヒユ科の一年草。夏から秋にかけて直立した茎の上部に鶏冠状の肉厚の花をつける。妖艶な存在感がある。
掲句は鶏頭の人臭さを詠んだ作品。鶏頭は秋が深まるにつれて膨張し、妖しさが増してくる。その妖しさには、どこか人の面影がある。畑の隅に日々立ち続ける鶏頭も、人と同じようにものを思っているのかも知れない。平成17年作。『春霙』所収。
11月15日に行われる、数え三歳と五歳の男児、三歳と七歳の女児のお祝い。子供たちは晴れ着をまとって氏神などの神社に参詣し、無事成長を祈願する。近世初期まで主として禁中・堂上で行われていた髪置・袴着・帯解などの諸行事が主として関東地方で民間に普及した。

「尉鶲」はスズメ目ヒタキ科の鳥。晩秋にシベリアから渡来して日本で越冬する。低地から山地の山林や農耕地、市街地の公園や庭等広範囲の環境で生息する。翼に白い紋があり、頭を上下しながら尾を振って鳴く。人懐っこく、人家の庭先にも姿を見せる。「鶲」の傍題。
掲句は、朝晩「尉鶲」を見かける頃の透き通るような空の澄みようを句にしたもの。秋が深まる頃、再び「尉鶲」の親しみ深い鳴き声が聞かれるようになった。夜通し風が吹いた明け方は、近くよりも遠景の方がくっきりと目に映じる。遥か彼方まで「尉鶲」の声を遮るものは何もない。平成14年作。『河岸段丘』所収。
スズメ目ツグミ科の冬鳥。10月末にシベリアなどから大群で日本海を渡って来る。秋から春にかけて各地の山野、農地、川原、庭園などで見かける。地上では、数歩歩いて胸を反らせた姿勢で立ち止まり、再び数歩歩くといった行動を複数回繰り返す習性がある。日本にいる間は基本的には単独行動である。肉が美味なため、古くから捕食されたが、現在は保護鳥。
