兜太亡き関東平野霰ふる

「霰(あられ)」には、雪の結晶に細かな水滴がついて固まった雪あられと小さな氷の粒である氷あられがある。霰の粒は地面や草木にぱらぱらと音を立てて降り、はじけて転がる。

掲句は夜ふけの霰の音に耳を澄ませながら、平成30年2月に亡くなった金子兜太を偲んだ作品。兜太は亡くなるまで熊谷に住み、〈暗黒や関東平野に火事一つ 兜太〉などの句がある。同じ関東平野に住みながら、生前の兜太に見(まみ)える機会は終に無かった。令和3年作。

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