大蜘蛛の漆びかりす冬はじめ

蜘蛛の多くは糸を分泌して巣を作り、これにかかった昆虫を捕食する。本来は夏の季語だが、大きく肥えた女郎蜘蛛などが、人の頭上に巣を張っているのを見かけるのは秋の半ば頃から。冬になっても依然として空の一隅を占めている強者(つわもの)もある。

掲句は立冬を過ぎてもいよいよ意気盛んに巣に蟠踞している大蜘蛛を詠んだ作品。夜通し木枯らしが吹いた明け方、頭上に吹き残されたように静まっている大きな蜘蛛を見かけた。全く弱っている気配はなく、日差しを受けて漆びかりしていた。平成19年作。『春霙』所収。

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