秋の半ばを過ぎた頃から晩秋にかけて、うっすらと感じる寒さ。「漸(やや)」は、〈いくらか〉、〈少し〉の意。本格的な冬の寒さとは異なる、秋の寒さである。類似の季語に、「そぞろ寒」、「肌寒」、「朝寒」、「夜寒」、「秋寒」、「露寒」、「うそ寒」などがある。

秋の半ばを過ぎた頃から晩秋にかけて、うっすらと感じる寒さ。「漸(やや)」は、〈いくらか〉、〈少し〉の意。本格的な冬の寒さとは異なる、秋の寒さである。類似の季語に、「そぞろ寒」、「肌寒」、「朝寒」、「夜寒」、「秋寒」、「露寒」、「うそ寒」などがある。

「日向ぼこ」「日向ぼこり」は日だまりでじっと動かずに暖まること。風のない晴れた日の冬の愉しみ。
掲句は日向ぼっこをしながら、自らの五体のうちを流れる血を思い、自らの来し方に思いを馳せているのだろう。来し方への思いは、作者の生まれる前の祖先へ、さらには人間に進化する前の猿へと遡っていく。ホモサピエンスだと威張っていても、所詮は猿の末裔ではないか。食っては排泄し、縄張りを主張し、群れては争う日常は、猿とさして異なるところはないではないかと。辛辣な目を自らに向けた一句。『俳句四季』2024年11月号。
岐阜県美濃加茂市蜂屋町原産の大玉の渋柿で、現在では福島や長野、栃木など各地で栽培されている。甘柿と渋柿に分けられる柿の中で、渋柿の代表的な品種。長楕円形で頂部がとがる。そのままでは食べられず、渋抜きを行うか干し柿にする。収穫は10月下旬頃から初冬にかけて。歳時記には「柿」(秋季)の傍題として掲載されている。

北アメリカ原産のハナシノブ科の多年草。大正初期に渡来し、観賞用として花壇や庭先などで栽培される。夏から初秋にかけて、約3センチの花が円錐状に集まって咲く。花色は緋紅、桃、白など。花の香りが花魁(おいらん)の白粉の香りに似ていることからこの名がある。別名「草夾竹桃」「宿根フロックス」。

「ちやんちやんこ」は寒さを防ぐ袖のない羽織で綿が入っているもの。動きやすく重ね着ができるので、冬の日常着として便利。
掲句は作者の気負いのない日常心が表出されている作品。住む家に神棚も仏壇もない簡素な生活と「ちやんちやんこ」の親しみやすさが、生活の基調の色合いとなっているのだ。普段着の手触りの感じられる一句。『俳句四季』2024年11月号。