「冬晴」は冬の間の晴天のこと。冬であっても、よく晴れて穏やかな暖かい日が訪れることがあり、「冬麗(とうれい)」ともいう。
掲句の「活魚運搬車」といえば大型トラックであり、日頃往来で目にしても、句の素材とはなりにくい対象であるが、作者はその大きな荷台に小窓があることに目を付けて一句に仕立てた。からりとした「冬晴」のもと、活きたまま運ばれていくのはフグかブリか。「小窓」から差す光が荷台の活魚にも届いているのだろう。『俳句』2024年11月号。
「冬晴」は冬の間の晴天のこと。冬であっても、よく晴れて穏やかな暖かい日が訪れることがあり、「冬麗(とうれい)」ともいう。
掲句の「活魚運搬車」といえば大型トラックであり、日頃往来で目にしても、句の素材とはなりにくい対象であるが、作者はその大きな荷台に小窓があることに目を付けて一句に仕立てた。からりとした「冬晴」のもと、活きたまま運ばれていくのはフグかブリか。「小窓」から差す光が荷台の活魚にも届いているのだろう。『俳句』2024年11月号。
熱帯アジア原産のショウガ科の多年草。別名「薑(はじかみ)」。日本には古くから伝わり、栽培されている。秋、淡黄色で多肉の根茎が大きくなり、それを収穫する。生食・香辛料・薬味などの食用になる。なお、7月頃に採った若い根を「新生姜」といい、夏の季語。

三秋(初秋・仲秋・晩秋)の末の月のこと。陰暦9月、現行暦では10月頃に当たる。朝ごとに露が凝るようになり、野山の草木の紅葉・黄葉がすすむ。冷え込んだ早朝には霜が降りることもあり、一歩ずつ冬が近づいてくる。北方から鳥が渡ってくるのもこの頃。

「解夏(げげ)」は旧暦7月15日、安居(あんご)を解くこと。安居は夏の90日間、僧侶が俗世間をはなれ、一定の場所に籠もって修行に専念する行事。解夏には、修行に集まってきた僧たちが各々の寺へ帰って行く。陽暦では初秋の頃になる。
掲句はとある曹洞宗の寺の境内での作品。邪気を払うといわれる獅子柚子のごつごつした大きな実が目についた。晩秋の頃になると黄熟するのだが、その頃はまだ青々としていた。なお、獅子柚子は文旦の仲間で、柚子とは別種。令和6年作。
雁が渡ってくる頃の寒さ。「秋寒」「そぞろ寒」「漸寒(ややさむ)」「肌寒」などとともに、秋の寒さの表し方の一つ。雁は北方から日本に渡ってくるカモ科の大形の冬鳥で、その渡りは9月から10月にかけて。秋の深まりとともに天地の寂寥をしみじみと感じる頃である。
