雨ふくみ露をふくみて晩稲稲架

「稲架(はさ)」は刈り取った稲の束を天日で乾燥させるための木組みのこと。遅く育ち、遅めに収穫される「晩稲(おくて)」が「稲架」に掛けられるのは晩秋の頃。ひと雨降るたびに秋が深まっていく。

掲句は、日々古びていく「晩稲稲架」の色合いの変化に秋の深まりを感じて詠んだもの。刈り取られたばかりの青みがかった稲の束は、日差しと風で2週間ほど乾燥させるのだが、時には夜雨に濡れ、また、晴天の日は露に濡れながら、徐々にくすんだ色合いを呈していく。乾燥機が普及した現在、稲架掛けの光景を目にすることは少なくなった。平成28年作。

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