朝鵙や草踏んで来し靴が濡れ

「鵙」はスズメ目モズ科の漂鳥又は留鳥。平地から山地に棲み、繁殖期が過ぎて秋になると、それぞれ縄張りを主張して、高い梢などに止まり鋭い鳴き声を上げる。秋の到来を感じさせる声だ。

掲句はようやく夏の暑さから解放され、心地よい外歩きをしたときの作品。10月に入ると、朝の大気は澄み、草はたっぶりと露をふくんで日の出を待つ風情。折から、梢の鵙が夜明けを待ちかねたように声を放つ。一羽が声を上げると、続いて別の梢の鵙が声を放つ。みな、それぞれの縄張りを主張しているのだ。令和5年作。

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