「秋思(しゅうし)」は秋になり心に感じたり思ったりすること。寂しさ、静けさ、秋のあわれなどが一体になって形づくられる思い。春の「春愁(しゅんしゅう)」と比べると、心の湿り気は少ない。
静かな水面を見つめて、無色透明のほとんど無心に近い思いの中にいたとき、不意に鮠か稚鯉か銀鱗の一寸ほどの魚が跳ねて、そこで思いが断ち切られたのだった。その水輪もたちまち消えて、水面は元の静寂に戻ったが、魚が跳ねて途切れた私の「秋思」は、途切れたままだった。それ程淡々とした「秋思」だった。令和3年作。
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