緑の木々に覆われる夏の山を「青嶺(あおね)」「翠巒(すいらん)」「山滴る」などといい、夏を迎えて青々とした山々を「青山河(あおさんが)」という。青は溌溂とした夏の到来を告げる色だ。
掲句は北海道旅中の作。6月の北海道は丁度新緑の時季だった。函館市内やクラーク像の周辺などどこを歩いても、吹く風には咲き始めた花や萌え出た草木の匂いが入り混じっていた。バスから降りて富良野の花圃の中を歩いたときの印象が最も強かった。「薫風」という既存の季語では十分に表現できないと考えた。令和5年作。
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