爬虫綱有鱗目ヤモリ科のトカゲの総称。人家やその周辺の林などに棲息し、夏の夜、灯火に来る昆虫などを捕食する。人家のガラス窓、壁、天井等にはりついていることもある。家を守るという意味で「家守」「屋守」とも表記する。


爬虫綱有鱗目ヤモリ科のトカゲの総称。人家やその周辺の林などに棲息し、夏の夜、灯火に来る昆虫などを捕食する。人家のガラス窓、壁、天井等にはりついていることもある。家を守るという意味で「家守」「屋守」とも表記する。


大麦、小麦、ライ麦、燕麦などの麦は、晩春の頃青々とした穂状の花穂を生じ、5、6月頃には黄熟する。
掲句は北海道旅吟の中の作品。6月中旬の十勝平野をバスで横断した。「麦秋」だった関東近辺とは違い、窓から眺める麦畑はまだ青々とした穂を宿しはじめたばかりだった。防風林を境に、麦畑からビート畑へ、さらには牧草地へと風景が一変した。今は緑の絨毯を敷き詰めたような大地だが、整然と並ぶ防風林から、長い冬の間その地を風の吹き荒ぶ様を想像した。令和5年作。
山芋(山の芋)は、日本原産のヤマノイモ科ヤマノイモ属の蔓性多年草。本州以南の雑木林や荒れ地、道端などに自生するほか、近年は栽培され、芋がトロロとして食用にされる。山芋には、自生種である自然薯(じねんじょ)、中国原産のナガイモ、ツクネイモなどが含まれる。夏、葉の付け根から生じた数本の花穂に、小さな白い花を密生させる。雌雄異株で雄株には雄花が立ち上がり気味に咲き、雌株には雌花が垂れ下がって咲く。地上部が枯れる11月頃が芋の収穫時期。秋に収穫されるので、単に自然薯、山芋、長薯などといえば秋の季語になる。かつて日本で芋といえば、山芋のことを指す言葉であったが、人里で栽培される南アジア原産の里芋が普及するにつれて、里芋に対して、山芋とよばれるようになった。

蟷螂(とうろう、かまきり)の卵は、木の枝などに産みつけられて越冬した後、初夏の頃いっせいに孵化し、無数の子蟷螂が卵嚢からぶら下がって出てくる。蟷螂の子は小さいが、すでに親とそっくり同じ姿をしている。

「山梔子(くちなし)」はアカネ科の常緑低木で、夏に六弁の杯形の香気ある花をつける。咲き始めは雪白色だが、萎む頃には淡黄色に変わる。
掲句は花の終り頃の「山梔子」を詠んだ作品。「山梔子」は咲き始めこそ雪白で清らかな印象があるが、たちまち色褪せてしまう。その色の変化を、俳句では「褪せる」「錆びる」などと表現することが多いが、この句は「山梔子」の色彩には触れずに、「山梔子」を吹き抜ける風に焦点を絞った。「風かわく」との措辞は、咲き闌けた「山梔子」の、色を和らげながら咲き続けている様を的確に浮かび上がらせる。『俳句』2024年8月号。