ブドウ科の落葉蔓性低木。全国の山野、丘陵、平地の藪などに自生するほか、観賞目的で栽培されることがある。晩夏の頃、淡黄色の五弁の小花をたくさんつけ、秋になると球状の実を結ぶ。実は晩秋の頃熟して、白、紫、青緑色などを混交した房となる。見た目は美しいが、食べられない。

ブドウ科の落葉蔓性低木。全国の山野、丘陵、平地の藪などに自生するほか、観賞目的で栽培されることがある。晩夏の頃、淡黄色の五弁の小花をたくさんつけ、秋になると球状の実を結ぶ。実は晩秋の頃熟して、白、紫、青緑色などを混交した房となる。見た目は美しいが、食べられない。

「冷酒(ひやざけ)」は、日本酒を燗をせずに飲むこと。夏は暑いので冷(ひや)のまま、或いは冷蔵庫などで冷やして飲む。「冷し酒」「冷酒(れいしゅ)」などともいう。
掲句は、三越の陶器売り場で備前焼のぐい飲みを手にしながら、その焼け肌の手触りを愉しんだときの作品。夏の夕べのひと時、そのぐい飲みに「冷し酒」をなみなみと注ぐ場面を想像してみた。 古備前といえば、鎌倉時代から桃山時代にかけて作られた備前焼のことで、実際に手にする機会はないが、想像の中でならどのような経験も可能だ。平成27年作。
「飛蝗(ばった)」はバッタ目バッタ科に属する昆虫の総称。「きちきち」「ばたばた」などの呼び名もある。殿様バッタ、精霊バッタなどその種類は多いが、いずれも幼虫は何度か脱皮を繰り返した後、翅のある成虫になる。これを「蜻蛉生る」「蟬生る」と同様、夏の季語として扱うことができるように思う。単に「飛蝗」といえば秋の季語。

辣韭(らっきょう)は中国原産のヒガンバナ科の多年草。古くから日本に渡来し栽培されている。秋に細い葉の間から花茎を伸ばして、その先端に紫色の小花を半球形状につける。地中の鱗茎を収穫するのは夏なので、単に「辣韭」といえば夏の季語。なお、関東以西に自生するヤマラッキョウ(写真)は辣韭の近縁種。

「烏蝶(からすちょう)」は黒地に緑の光沢をもつカラスアゲハのことで、夏に見かけることが多いことから、他の揚羽蝶とともに夏の季語になっている。
掲句は、清瀬中央公園の石田波郷句碑を訪れたときの作品。この公園は、波郷が戦後の一時期療養生活を送った国立療養所清瀬病院の敷地であった。今でも木立の多い公園内を散歩すると、行く手に病衣を着た波郷の姿が見え隠れするような錯覚に囚われる。〈七夕竹惜命の文字隠れなし〉〈遠く病めば銀河は長し清瀬村〉の句が刻まれている句碑の前にしばらく佇んだ。その場を立ち去り難かったのは「烏蝶」というよりも、私自身であったのかも知れない。令和3年作。
