大麦、小麦、ライ麦、燕麦などの麦は、晩春の頃青々とした穂状の花穂を生じ、5、6月頃には黄熟する。
掲句は北海道旅吟の中の作品。6月中旬の十勝平野をバスで横断した。「麦秋」だった関東近辺とは違い、窓から眺める麦畑はまだ青々とした穂を宿しはじめたばかりだった。防風林を境に、麦畑からビート畑へ、さらには牧草地へと風景が一変した。今は緑の絨毯を敷き詰めたような大地だが、整然と並ぶ防風林から、長い冬の間その地を風の吹き荒ぶ様を想像した。令和5年作。
kknmsgr
Δ