「水無月(みなづき)」は陰暦6月の異称で、陽暦ではほぼ7月に当たる。梅雨が明けて、本格的な夏が到来する頃。青空は奥の奥まで青く、連日の炎暑のために大地はからからに乾く。
掲句は、書いたばかりの万年筆の文字が滲まないように、吸い取り紙を押し当てている情景。大事な手紙を書いている場面を想像した。ささやかな日常の一齣だが、「青インク」の清潔なイメージと「水無月」の季節感が、作者の明るい内面を浮かび上がらせる。『俳句四季』2024年8月号。
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